「ブラック企業の人事がどうやって新卒の学生に近づきだましていくか」のテーマ(入社前)

表題の通りです。

今日の題目は「ブラック企業の人事がどうやって新卒の学生に近づきだましていくか」をテーマに書いていきます。

私がいた会社はネット業界では「ブラック企業」で有名でした。また大学の就職課でも「ブラック企業」で有名でした。まさに2冠王です。

そんなブラック企業が私にどう近づいてきたのかを以下に記載します。

大学3年生:夏のインターンシップ(経費出すから遊びに来てね、という甘い言葉)

私はこの時点でブラック企業だという情報は仕入れていましたが「ブラック企業の現場を見てやろう」と思い応募しました。選考なんて名ばかりなのであっさりと通過しました。

そして当日会場に行きますと、東京の丸の内で華やかなオフィス街にある本社ビルの会議室でインターンシップを行うのです。田舎者(当時私は関西の大学在籍)の私からしたら、「噂は本当なのか?」と疑うぐらいの華やかさがありました。

そして人事部長は総合商社(最短で子会社の社長)→某大手コンサルのディレクター(最短でディレクターに就任)を経由してヘッドハンティングされて「ブラック企業」の経営企画→人事という華やかな経歴の持ち主でした(上記の内容はインターンで話をしています)。

田舎者の私からしたら「こんな華やかな経歴の持ち主がブラック企業に来るわけがない」という甘い考えのもと話を聞いていました。

また社員さんの経歴は輝いていました。某人材企業出身、某大手重電メーカーなどなど。

当時疑問には思いませんでしたが【プロパーの社員がいない】。

そうなんです、今に思えばプロパーの社員がいないのです。理由は簡単「出すとブラックがばれるから」だそうです(採用後に自分が企画系のポジションに着いたときに気付きました)。

一人下品な人間がいました(彼が今後のキーマンです、名前は小林(仮名)とします)。彼は不動産会社、イベント会社を経由してブラック企業に来たと言っていました。彼だけが言葉遣いが荒く、インターンの学生に陰で「デブ、あほ」といっていた人間でした。今思えば、だましてやろうという兆候があったのかもしれません。

私の机についた社員は早慶の大学院で人事の研究をしていた名前は長沢(仮名)でした。彼はブラック企業に入って3ヶ月ほどだといっていました。前職は大手人材系の子会社の企画をしていたと言っていました(彼も今後、たくさん出てきます)。

 インターンは無事に終わり、彼らとしては「この時点で内定を出すから、別に来なくてもいいから(嘘)、就活してきてね」という甘い言葉を聞いて、夏休みを終えました。いわゆる意識高い系だった私は、就活ではベンチャーか自動車が好きだったので自動車メーカーを中心に受けていました。定期的にブラック企業から連絡が来ましたけど。

そして年末、ブラック企業の長沢から連絡がありました。

長沢「専務が会いたいと言っているんだけどどう?」

私「東京ですか?行く予定はないのですが」

長沢「大阪だよ。君が良ければだけど?」

私「わかりました。お会いします」

これが今思えば失敗でした。行く気が無ければ、断っておけば良かったのですが、

長沢からは「入社を決めてくれれば、経営企画だから」

という甘い言葉で心が揺れまくっていました(今思えばあり得ないのですがね)。

でだ、会う場所は関西で一番高いホテルのラウンジ。

大学生は簡単にだまされてしまう「俺すごくない???、東証一部の役員と対面で話せるなんて」。

この経験が後々(人は絶対に信じてはいけない=性悪説)の自分が構築される経験の始まりでした。

ブラック企業からの参加者:専務、長沢

彼ら「経営企画で入社してほしい」

おれ「????、でも馬車馬のように働くと聞きましたよ」

彼ら「急成長をしていたから馬車馬のように働くと言われているのかもしれないが、今は効率よく働くと決めている」

おれ「現場は経験しなくて良いと」

彼ら「3ヶ月ぐらいでいいよ」

おれ「前向きに考えますね」

長沢「おそらく、おれくんが望んでいるキャリアを積めると思うよ。おれだって某大手人材企業から来て頑張っているんだし、土屋君も某大手重電メーカーから来ている。ましてや部長は某大手コンサルから来ているんだよ。こんなメンバーと一緒に働かないか。

役員「他の会社でこれだけ強烈なキャラの人間とは働けないよ」

おれ「わかりました。一度持ち帰ります」

 

学生がこれだけ持ち上げられたら、そりゃホイホイとなりますよ。

後ほど

「新卒をだますのはキャバクラ嬢をだますより簡単」

という素晴らしい言葉を生み出した人事部ですから。私はだまされたのでしょう。

 

ではブラック企業がいう質問に対する回答を以下に書きますね。

質問「四季報の在職年数が低いですね」

回答「急成長しているから、毎年大幅な社員を採用しているから」

質問「中途採用のサイトに毎回募集が載っていますね」

回答「急成長しているから雇わないといけない」

質問「OBがこの会社はしんどいぞと聞いています」

回答「そのOBの方が辞めたときは確かにブラックだったが、今は働き方改革でましになっている」

質問「現場訪問をしました。夜遅くまで社員がいたようですが」

回答「決算前などはお願いしているケースがある」(ちなみにブラック企業の上司曰く毎日決算だから夜遅くまで残るという回答でした)

 

続きはまた今度。